機体#1,スピットファイアーLF, MKXVIe, TD240, Boleslaw Kaczmarek少佐,英空軍第302スコードロン,Varrelbusch/ドイツ,1945年6月−8月初旬。
この機体の写真とカラーイラストは文献1にあります。この機体は第131ウィングに引き渡された最初のバブルトップ型のスピットファイアーの1機で,4月20日から6月1日まではAleksander Gabszewicz大佐の乗機としてSZ−Gのコードレターをつけていました。Gabszewiczが第131ウィングの司令になると,本機は第302スコードロンに送られKaczmarekの乗機となりました。時には他のパイロットも本機を操縦し,最後は1945年11月10日に着陸事故を起こしスクラップ処理されました。迷彩はRAFダークグリーン/オーシャングレー/メディアムシーグレーで,風防の下に部隊マークをつけています。"Janetka"は女性の名前で,彼は別の機体にもこの名をつけていました。機体コードのVは100%確かと言うわけではありません。写真からはこのレターがVかWのどちらかであることがわかり、文献にあるカラーイラストに従ってVとしました。通常司令官の機体はLのコードレターをつけますが、これは例外です。

機体#2,スピットファイアーLF MKXVIe, TB625, Murray J.C. Lind曹長、英空軍第485スコードロン,Fassburg/ドイツ,1945年6月−8月。
この機体は文献2で取り上げられており,そこにある3枚の写真によって左側のマーキングは全て判ります。このマーキングはクライストチャーチのRNZAF博物館のスピットファイアーにも描かれました。迷彩は標準的なRAFダークグリーン/オーシャングレー/メディアムシーグレーで、ニュージーランドのシダと"Rongotea"の個人マーキングを風防の下に描いています。スピンナーの下に小さな盾を描いているのがユニーク。スピンナーはスカイと赤です。このデカールではシリアル番号全体を入れてありますが,写真を見る限り左側のものはオーシャングレーにかかる部分はたぶん塗りつぶされています。

機体#3,スピットファイアーLF MKXVIe, SL718, 英国予備空軍第612スコードロン,1949クーパーエアレース,Elmdon基地,1949年7月。
この機体の写真は文献3または4に載っています。迷彩は標準のRAFダークグリーン/オーシャングレー/メディアムシーグレーで、ラウンデルは戦後タイプです。排気管の下に部隊マークがあり,レース機番号の6が胴体帯の中に描かれています。他にこの機体の写真がないので,他の場所にも6が描かれていたかどうかは判りません。我々は他の参加機同様に左主翼上面にも6があると思っています。主翼下面のシリアル番号は写真で微かに確認出来ます。

機体#4,スピットファイアーLF MKXVIe, RW396, 中央射撃訓練学校,Leconfield,1946−1947年。
この機体は全面無塗装のものとしてよく知られ,写真は5,6,7など多くの文献に見られます。スピンナーと主翼機銃カバーは赤です。主翼下面のシリアル番号を確認出来る写真はありませんが,我々は間違いなくあるだろうと考えています。この訓練学校のコードレターはJWでJWLではありません。従って右側のコードレターはJWL−Fか,もっと可能性のあるのは下に示すようにFJW−Lであると思われます。

謝辞;チェコの雑誌(文献1)の訳をして頂いたMartin Ferkl氏に深謝致します。